円形脱毛症の診断 Alopecia Areata

診断のポイント:突然出現する円形の脱毛巣で自覚症状を欠く.病毛は容易に抜け,その毛は毛根部の形態より“感嘆符毛”と呼ばれる.
症候の診かた:突然出現する脱毛に患者や家族が気づき来院する.本症は,脱毛の範囲や形態より4型に分類され,一般に脱毛が広範囲なほど難治である.脱毛が精神状態に及ぼす影響をできるかぎり把握する.稀な症例である.
蛋白分画,抗核抗体,甲状腺関連抗体,血中Ig Eほか:橋本病を中心とする甲状腺疾患,エリテマトーデス,リウマチ,白斑,重症筋無力症などの自己免疫疾患やアトピー疾患の合併が知られている.
鑑別すべき疾患と鑑別のポイント:抜毛症(トリコチロマニア),いびつな脱毛斑,病巣内に容易に抜けない切れ毛をみる.抜毛を止めると発毛する.脂腺母斑,生直後より出現する永久脱毛斑.病巣は本症に似るが,加齢とともに病巣部表皮変化をみる.円板状エリテマトーデス,紅斑,萎縮,一部で過角化もみる.永久脱毛となる.円形脱毛症と鑑別が困難なこともある.真菌感染症,時に真菌による変化が毛包内黒点としてみられ,屍毛と酷似するので注意が必要.毛幹から真菌の検出(検鏡,培養)が必須.真菌治療で脱毛は改善する.一部に永久脱毛を残すこともある.
鑑別疾患で迷う場合は,病理組織診断を行う.脱毛が広範なほど難治で,脱毛面積が25%を超える場合は重症型と考え対処する.
小児の場合は,治療法に限界があり非常に難治である.稀に登校拒否や引きこもりなどを引き起こすので,少しでもその徴候がみえたら,精神科医や心療内科に相談する.家族は脱毛の初発症状を熟知しているので,少しでも脱毛の徴候がみられたらすぐに受診することを勧める.脱毛とストレスとの関係がいわれるが医学的根拠は乏しい.
posted by 武相荘翁 at 17:10 | 円形脱毛症