円形脱毛症

円形脱毛症の概念
円形脱毛症は、比較的高頻度の脱毛疾患である。円形の脱毛巣が基本で、ときに全頭や全身が脱毛する。発症しやすい素因があり、成長期毛器官に対するT細胞による自己免疫疾患とみられる。自然治癒も多いが、数年以上の難治な広範囲脱毛例もある。難治例には局所免疫療法が最も有効である。

円形脱毛症の頻度
円形脱毛症は、皮膚科新患の2〜5%で、人口の1〜2%に発症する。どの年齢でも発症するが、15歳以下が全体の1/4を占め、約7%が広範囲難治例で小児に多い。

円形脱毛症の病因・発症機序
円形脱毛症は、約20%の家族内発生があり、一卵性双生児では2人とも発症する確率が高い。円形脱毛症になりやすく、さらに重症化と関連するHLAタイピングが知られる。甲状腺疾患や白斑などの自己免疫疾患やアトピー疾患の合併がみられる。病理では、成長期毛根部にヘルパーT優位のリンパ球が多数浸潤し、毛器官は萎縮し退行する。毛器官の自己抗原に対する自己免疫疾患とみられるが、毛器官幹細胞は侵されず、回復の可能性は常に存在する。2〜3割の例ではストレスが脱毛の誘因となる可能性がある。

円形脱毛症の臨床症状
円形脱毛症は、主に頭髪が円形に脱毛し、ときに広範に脱毛することもある。自覚症状はない。病型として、限局性の円形脱毛巣が生じる単発性ないし多発性通常型、頭髪の生え際が脱毛するophiasis型、頭髪全体が脱毛する全頭型、全身脱毛の汎発型を区別する。ophiasis型は数%だが小児に多く難治である。進行病巣では切れ毛、感嘆符毛、黒点などの特徴的な病的毛がみられ、周辺の長い毛も抜けやすい。爪に点状陥凹や横溝が生じうる。

円形脱毛症の鑑別診断
(1)限局性脱毛:トリコチロマニア、black dot ringworm、DLE、圧迫性脱毛症など。
(2)広範囲脱毛:休止期脱毛、代謝異常に伴う脱毛、先天性乏毛症など。

円形脱毛症の診断のポイント
(1)円形を基本とする脱毛巣で、皮膚面には異常を認めない。
(2)進行病巣では病的毛がみられ、周囲の毛も容易に抜毛される。
(3)広範囲難治例でも経過中に部分的な毛の回復をみる。

タグ:円形脱毛症
posted by 武相荘翁 at 18:35 | 円形脱毛症

円形脱毛症と鑑別すべき疾患

■男性型脱毛症
遺伝的基盤のある人の毛組織に男性ホルモンが作用することにより生ずる。成長期が短縮し、休止期毛の割合が増加する。毛包のサイズは縮小し、終毛が軟毛化する現象である。

■分娩後脱毛症
休止期脱毛で出産数か月後に発症。数か月持続した後、次第に回復してくる。エストロゲンの影響で休止期毛への移行が阻害されていたのが、分娩後その抑制がとれ、一時的に休止期毛が増加するため脱毛が生ずる。

■薬剤による脱毛症
通常、薬剤投与約10日でびまん性に成長期毛のまま脱落する。可逆性であり、薬剤の中止により脱毛は回復する。多くは抗腫瘍剤(シクロホスファミド、ビンクリスチンなど)、精神神経用剤(トリパラノール)、抗凝固剤(ヘパリンなど)、抗甲状腺剤(チオウラシル)などで引き起こされる。

■内分泌異常による脱毛
種々の内分泌異常あるいは内分泌疾患のときにみられる。甲状腺機能低下症では、成長期の形成が遅れるため休止期毛が増加する。原疾患の治療により可逆性に発毛をみる。

■トリコチロマニア
抜毛症ともいう。精神的衝動にかられ、患者自身の手で毛髪を引き抜くことにより脱毛を生ずる。病巣内に新生毛が存在。抜毛した毛根像は成長期毛を示す。

■梅毒性脱毛症
びまん性あるいは小班状脱毛。第2期梅毒にみられ、梅毒血清反応陽性。

■小児仮性脱毛
新生児後頭脱毛ともいう。生理的脱毛。

posted by 武相荘翁 at 17:20 | 円形脱毛症

円形脱毛症による心理的打撃

 円形脱毛症とは、頭皮の毛髪の脱毛を引き起こす病気です。いつ起こるかわからない自己免疫疾患性の皮膚病と考えられています。円形脱毛症は、人口全体のおよそ1.7%に起こるといわれています。アメリカ合衆国では、500万人以上の方が円形脱毛症で苦しんでいます。一般の方に円形脱毛症に対する理解がないために、仕事場や学校で円形脱毛症にかかった人は、不公正な扱いを受けています。  円形脱毛症では、自分自身の免疫系によって毛包が攻撃を受けます。そして、毛髪の発育が阻害されます。円形脱毛症は、通常頭皮の一つ以上の小さな、丸い、スムーズなむきだしの部分から始まって、頭皮全体の脱毛症や完全な体毛損失へ進行することができます。  円形脱毛症はあらゆる年齢の男性と女性に起こります。幼児期に始まることが多く、その場合、心理的に大きな打撃を受けることがあります。円形脱毛症は、致命的な病気ではありませんが、人々の精神的に重大な悪影響を及ぼします。
posted by 武相荘翁 at 11:20 | 円形脱毛症

円形脱毛症の診断 Alopecia Areata

診断のポイント:突然出現する円形の脱毛巣で自覚症状を欠く.病毛は容易に抜け,その毛は毛根部の形態より“感嘆符毛”と呼ばれる.
症候の診かた:突然出現する脱毛に患者や家族が気づき来院する.本症は,脱毛の範囲や形態より4型に分類され,一般に脱毛が広範囲なほど難治である.脱毛が精神状態に及ぼす影響をできるかぎり把握する.稀な症例である.
蛋白分画,抗核抗体,甲状腺関連抗体,血中Ig Eほか:橋本病を中心とする甲状腺疾患,エリテマトーデス,リウマチ,白斑,重症筋無力症などの自己免疫疾患やアトピー疾患の合併が知られている.
鑑別すべき疾患と鑑別のポイント:抜毛症(トリコチロマニア),いびつな脱毛斑,病巣内に容易に抜けない切れ毛をみる.抜毛を止めると発毛する.脂腺母斑,生直後より出現する永久脱毛斑.病巣は本症に似るが,加齢とともに病巣部表皮変化をみる.円板状エリテマトーデス,紅斑,萎縮,一部で過角化もみる.永久脱毛となる.円形脱毛症と鑑別が困難なこともある.真菌感染症,時に真菌による変化が毛包内黒点としてみられ,屍毛と酷似するので注意が必要.毛幹から真菌の検出(検鏡,培養)が必須.真菌治療で脱毛は改善する.一部に永久脱毛を残すこともある.
鑑別疾患で迷う場合は,病理組織診断を行う.脱毛が広範なほど難治で,脱毛面積が25%を超える場合は重症型と考え対処する.
小児の場合は,治療法に限界があり非常に難治である.稀に登校拒否や引きこもりなどを引き起こすので,少しでもその徴候がみえたら,精神科医や心療内科に相談する.家族は脱毛の初発症状を熟知しているので,少しでも脱毛の徴候がみられたらすぐに受診することを勧める.脱毛とストレスとの関係がいわれるが医学的根拠は乏しい.
posted by 武相荘翁 at 17:10 | 円形脱毛症

円形脱毛症,抜毛癖

円形脱毛症 alopecia areata
病態
毛包の構成成分に対する自己免疫疾患で,脱毛斑を頭部もしくは他部位に生じる.単発型,多発型,全頭型,汎発型(全身性),オフィアシス型(生え際に帯状に生じる)がある.脱毛(軽症)かそれ以上(重症)か,固定期(6か月以上持続し,拡大傾向,易脱毛性,切断毛,屍毛なし)かによって分類している.
治療
軽症・進行期,ステロイド外用が中心となる.
アトピー素因のある場合は第2世代抗ヒスタミン薬を併用する.
軽症・固定期および重症,ガイドラインでは,感作物質であるDPCP(ジフェニルシクロプロペノン)や局所免疫療法を行うことが勧められている.アトピー素因のある場合や局所免疫療法によって生じる痒みが強い場合は第2世代抗ヒスタミン薬を併用する.

抜毛癖 trichotillomania
眉毛,睫毛,陰毛などを引き抜く行動で,引き抜く前に緊張が高まり,引き抜いた後には安堵感がある場合と無意識的な場合とがある.
posted by 武相荘翁 at 10:36 | 円形脱毛症
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。