老人性脱毛症

 老人性脱毛症とは、、老化(加齢)に伴って誰にでも起こる健全な変化で,壮年性脱毛症と異なり頭部全体の毛髪が、加齢とともに徐々に薄くなってくるが特徴である。

 老人性脱毛症は男女の差に関わり無く症状が表れ、頭部全体を含む全身の体毛が薄くなる。

 成長期毛の数が減り,毛の伸びも悪く短くなり,光沢もなくなり色も淡くなり(白髪の増加),地肌が目立つ状態となるのが初発症状で,ゆっくりと進行し最終的には毛髪数も減少する。

 個人差が大で,60歳で全頭脱毛に近い状態になる人もいる一方で,80歳を過ぎても変化をみない人もいる。医学的には全く問題とされない状態である。

 壮年性脱毛症では、初期には額の拡大や頭頂部の薄毛化が目立つが、老人性脱毛が重なると全頭脱毛になることもある。

 老人性脱毛症の原因は細胞の老化により働きが低下するために起こり、その進行には個人差があるが、老化により多くの人に表れる自然な現象で、男性のケースでは男性型脱毛症と併発することが多い。

posted by 武相荘翁 at 18:37 | 各種脱毛症

先天性脱毛症

■先天性脱毛症の概念
先天性脱毛症には脱毛症のみの場合(先天性無毛症,乏毛症)と,ほかの臓器異常を伴う遺伝性症候群の一症状としての脱毛症が含まれる。なお,限局性先天性脱毛として先天性皮膚欠損症,脂腺母斑や表皮母斑などの母斑症がある。

■先天性脱毛症の頻度
先天性無毛症,乏毛症はきわめて稀である。母斑症に伴う限局性脱毛は少なくない。

■先天性脱毛症の病因・発症機序
先天性脱毛症では多くの場合,毛包脂腺系の形成不全,萎縮がある。

■先天性脱毛症の臨床症状
先天性無毛症,乏毛症では,出生時には毛髪は正常であるが,生後6カ月までに完全脱落,あるいは疎毛となる。出生時あるいは生後間もなく,何ら誘因なく脱毛が生じる。脱毛の形態によっては円形脱毛症との鑑別が必要となることもある。

■先天性脱毛症の治療方針
無毛症や乏毛症には有効な治療手段がない。皮膚欠損症や母斑症は切除・縫合する。

posted by 武相荘翁 at 13:07 | 各種脱毛症

外傷性脱毛症,瘢痕性脱毛症

■外傷性脱毛症の概念
外傷性脱毛症とは機械的刺激によって生じる脱毛の総称で,原因はさまざまである。瘢痕性脱毛症とは脱毛部皮膚が瘢痕化して永久脱毛となった状態をいい,外傷性とは限らない。

■外傷性脱毛症の頻度
広義の外傷性脱毛症は頻度が高い。

■外傷性脱毛症の病因・発症機序
病因には長期の繰り返しの毛髪牽引(結髪性脱毛症),一定時間以上の局所圧迫(術後脱毛症),精神的衝動による自己の毛髪の抜毛(トリコチロマニア)などがある。

■外傷性脱毛症の臨床症状
基本的には境界明瞭な限局性脱毛で,瘢痕性であることも少なくない。

■外傷性脱毛症の診断のポイント
(1)脱毛に関連する病歴が重要で,多くは患者自身が脱毛の原因を自覚している。
(2)部位,形態に比較的特徴がある。
(3)脱毛周囲の毛髪には易脱毛性がない。

■外傷性脱毛症の治療方針
(1)脱毛の原因を取り除く。
(2)トリコチロマニアでは心理療法も必要となる。
(3)瘢痕性脱毛症では脱毛巣が小さければ切除,縫合する。

posted by 武相荘翁 at 13:54 | 各種脱毛症

抜毛症(抜毛癖)

 抜毛症(trichotillomania)は、小学校高学年・中学生の女子に多くみられるが、身体各部の体毛を抜いてしまう行為をいう。頭髪や眉毛、まつ毛、陰毛といった体毛を自ら引き抜くことがやめられない、という症状がある。

 抜毛症(trichotillomania)とは、1889年にフランスの皮膚科医Hallopeauによって、初めて報告された疾患である。臨床的には、「髪の毛を抜くという衝動に抵抗することに失敗して生じる、顕著な毛髪欠損によって特徴付けられる疾患」であると定義されている。その行為自体は神経性習癖の一部とみなされ、抜毛症という語自体、狂気を連想させるために、抜毛癖(習慣)というべきと主張するものもいる。

 本症の中には剃髪型といい、頭部全体にわたって抜毛をしてしまう例もあり、引き抜いた毛を食べてしまうという異食症を併発する場合もある。また、それほどでなくとも、本人はその抜毛部位を隠そうとさまざまな工夫をしたり、そのことを恥と考えているのが通常であるので、単なる癖と聞き流すのではなく、真剣に立ち向かうべきものである。

 抜毛行為を止めさせること自体は容易なことである。患児の両肘を曲げることができないように、ボール紙などで固定すれば、抜毛行為自体は制止できる。極端にいえば、毛髪を短く、剃ってしまえばよいともいえる。しかし、そういった手段が、根本的な解決策となり得ないことは自明である。

 髪の毛を抜くという行為は、過度の緊張を和らげる意味を有していることもあり、そうすることによって、より深刻な事態を引き起こさないような安全弁としての役割を果たしていることもある。

 病状の定義についても、強迫性障害の近縁の症状、衝動制御障害、単なる習癖障害、などと一定しておらず、現時点では個々の症例によって、これらのいずれか、もしくはすべてであると考える。

 いたずらに抜毛行為のみに焦点を合わせるのではなく、本人が置かれている状態を共に考え、本人の気持ちを配慮するよう促すことが肝要である。そして、本人を取り巻くさまざまなストレス要因を取り除き、環境調整が重要である。

 注意を要することは、特に剃髪型などの場合、精神疾患の分症であることもあり、また、不安神経症やうつ状態を伴う可能性も考慮しておかなければならない。

 精神療法や行動療法が主体となる。薬物療法は、補助的な手段であるが、不安が強かったりうつ的な状態では、それぞれに応じた投薬を試みる。
posted by 武相荘翁 at 18:43 | 各種脱毛症

粃糠性脱毛症

■粃糠性脱毛症の概念
多量の粃糠様鱗屑(フケ)をみる粃糠疹に脱毛の合併したものをいう。独立疾患とするより脂漏性湿疹,慢性の接触皮膚炎などに伴って生じる脱毛と考えたほうがよい。

■粃糠性脱毛症の臨床症状
頭部に痒みを伴う軽い紅斑がみられ,多量の粃糠様鱗屑(フケ)をみるのが特徴で,毛髪は細くもろくなり掻破などで容易に脱落する。基礎となる疾患を鑑別する。なお,壮年性脱毛初期に軽い炎症症状と粃糠をみることがあるので注意する。

■粃糠性脱毛症の必要な検査とその所見
鱗屑でのピチロスポルムの有無。
接触皮膚炎ではパッチテスト。

■粃糠性脱毛症の治療法
基本的には頭皮を清潔に保ち,抗フケ剤やステロイド含有ローション塗布を行う。基礎疾患がわかればその治療をおこなう。

■粃糠性脱毛症の予後と経過
脂漏性湿疹,接触皮膚炎によるものでは脱毛は可逆的である。非可逆的な壮年性脱毛が本症の形で初発することがあるので注意する。
posted by 武相荘翁 at 06:58 | 各種脱毛症

女性の壮年性脱毛症

 女性における壮年性脱毛症は、女性における毛髪喪失の典型的パターンに関連します。女性における壮年性脱毛症は、ホルモン、老化と遺伝子が関与しています。

 毛髪は、毛包で、1ヵ月につきおよそ1.5cm成長します。各々の毛髪は2〜6年の間、成長して、それから休止期に入り、その後、抜け落ちます。新しい毛髪は、すぐに同じ場所で育ち始めます。毛髪のおよそ85%は成長期にあり、15%は休止期に入っています。

 壮年性脱毛症が起きると、毛髪が抜け落ちた後、新しい毛髪が育ち始めません。女性の壮年性脱毛症で新しい毛髪をのばすことが上手くいかない原因は十分解明されていません。しかし、女性の壮年性脱毛症は内分泌ホルモン類(男性性ホルモン)、遺伝的性質、老化のレベルと関係しています。

 アンドロゲンのレベルの変化は、毛髪の成長に影響を及ぼします。たとえば、閉経後のホルモンの変化がおき、多くの女性の頭の毛は薄くなるといわれています。新しい髪は成長しませんが、毛包は生きているままです。このことは、新しい毛髪が生えてくる可能性を示唆しています。

 女性の壮年性脱毛症の典型的パターンは、男性の壮年性脱毛症のそれと異なります。毛髪は頭全体に薄くなりますが、正面のヘアラインが男性のように後退することはありません。は維持されます。頭頂部の毛髪が他よりも薄くなることはあっても、男性のように完全なハゲになることはまずありません。

女性の脱毛症は、壮年性脱毛症以外に、休止期脱毛、毛髪の損傷、円形脱毛症、薬物、 特定の皮膚病などでも起こります。
posted by 武相荘翁 at 20:55 | 各種脱毛症

円形脱毛症と壮年性脱毛症の相違

 脱毛症という包括的な用語が、一般に円形脱毛症と男性の壮年性脱毛症まで全ての脱毛症に使われています。

 壮年性脱毛症という脱毛症は、一般に遺伝子が影響して起こるタイプの永久的な脱毛症に対して使われます。 一般の人がはげと呼ぶときは、男性のハゲに対して使いますが、女性にも壮年性脱毛症は起こります。

 男性と女性の壮年性脱毛症の相違は、ひとつには、脱毛症が起こる経過にあります。男性では、一般にヘアラインの後退が見られます。ヘアラインの後退は、30代、早ければ20代に始まります。男性のおよそ50%が、50代までには、程度の差は会っても、ヘアラインが後退します。脱毛よりもヘアラインの後退は徐々に起こりますが、脱毛よりも高い率で起こります。

 女性はヘアラインの後退を経験しません。 脱毛症を経験するほとんどの女性は、頭頂部の毛髪の薄くなることで気付きます。ほとんどの場合、女性に、このような薄毛症が起きるのは、ずっと年を取ってからです。稀に、女性でも男性のように側頭部の毛髪が薄くなることがありますが、そのような場合、髪の毛全体が薄くなることが多いようです。通常、女性の脱毛症の始まりには、髪の毛が残っている部分が見られます。しかし、その部分の毛髪は以前よりも非常に細い毛髪になっています。そして、薄毛は頭部全体に広がってきます。

 男性でも女性でも、壮年性脱毛症は、DHTが増加することによって毛包が縮むことが原因で 引き起こされると思われます。 活動的な毛髪成長段階にある毛包は減り、新しい毛髪の成長が、毛髪損失に追いつかなくなってしまいます。そして、永久的な脱毛症になってしますのです。

 円形脱毛症は、毛髪自体の構造内の特定の変化のために毛髪の損失が起こります。円形脱毛症は、老人と若者の両方に起こりますが、かなり突然起こるために、円形脱毛症になった方を驚かせ、当惑させます。

 円形脱毛症は、一般にコイン状の禿げた部位を形成します。円形脱毛症は、何らかのタイプの自己免疫の障害に依るものとされています。ほとんどの場合、ある程度の時間がたつと毛髪はまた生えてきます。しかし、一部の人では、一生を通じて何回か繰り返されます。

 脱毛症を治療するときに、脱毛症の原因を理解することが非常に重要です。脱毛症はどんな程度でも、人々を喪失不安にさせます。脱毛症がほっておいても自然に治る種類のものなのか、医学的な治療が必要なものなのかを区別することが重要です。脱毛症を直すためには、根本の原因を最初に特定してから医学的治療を行わなくてはいけません。
posted by 武相荘翁 at 12:19 | 各種脱毛症
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